ベトナム不動産投資の税金・法規制・仕組みの完全マニュアルガイド

1be449d6 ce9f 4fd2 9771 19241f0d6f64

ベトナムは2007年〜2013年の経済鈍化を乗り越え、2019, 20年にはマクロ経済の安定と投資環境の整備により、さらなる経済成長が見込まれている有望国です。ベトナム政府は2019年のGDP成長率を6.6~6.8%としており、2016年〜2020年の5カ年計画が順調に達成される見込みだと発表しています。


また、ベトナムはインフラ整備の未発達が懸念されていましたが、ホーチミン地下鉄とロンタイン国際空港の整備を筆頭に、インフラ整備の改善も見込まれており世界中の投資家がベトナムのマーケットに注目しています。


今回はベトナム不動産投資の税金・法規制・仕組みの完全マニュアルガイドを通して、ベトナム不動産投資について理解を深めていただき、投資判断の基準として参考にお使いいただける内容をお届けいたします。

なぜ、ベトナム不動産投資に注目が集まるのか?


ベトナム経済の潜在的ポテンシャル


ベトナム・マレーシア・カンボジアのGDPの推移
ベトナム・マレーシア・カンボジアのGDP上昇率の推移
上図は2008年〜2018年までのベトナムとマレーシア・カンボジアのGDPおよびGDP上昇率の推移を示しています。(参考:IMF)


なぜベトナム不動産が注目されている理由として、ベトナムの魅力的な経済成長率があります。国の経済成長と地価上昇率には正の相関があると言われています。つまり、安定的で高い経済成長をしている国の地価は上昇する見込みがあるということです。


リタイア後に移住したい国として注目を集め、東南アジアの不動産投資の代表格ともいえるマレーシアは、2009年と2015年に大きくGDPが下がりながらも成長していますが、近年は成長率が落ち着いてきた印象です。一方で、2018年時点でGDP成長率が最も高いカンボジアは、GDP自体がマレーシア・ベトナムの7~10%程度のため市場が未熟な印象です。


それに対して、ベトナムはカンボジアと遜色のない安定したGDP成長率を誇り、GDP自体も上昇していることが分かります。


ベトナム経済の成長率の高さの背景には製造業と輸出業の成長、国内消費の増加、外資企業と国内企業の投資による豊富な資本の流れ、そして農業分野の改善が挙げられています。また、上述にある通り、ベトナムの人口は約9500万人と東南アジアの中でも多く、生産年齢人口の割合が70%と高いため若手ベトナム人が製造業および三次産業サービスの担い手として国の発展を支えているのです。

在留邦人数は増加しているためコンドミニアム需要が増加傾向か

ベトナム在留邦人の推移(2010年〜2017年)

上図は2010年〜2017年までのベトナム在留日本人数の推移を示しています。2012年に1万人を突破してからも順調に増加の一途をたどっています。ホーチミンのレタントンエリアではスーツを着た日本人ビジネスマンをよく見かけます。日系レストランや居酒屋も多く日本人街が築かれています。


2017年 海外進出日系企業数ランキング


2017年のベトナム進出日系企業数は1,816社で国別ランキングでは第6位にランクインしています。進出企業数が増えることで駐在員とその家族が増えることで高級コンドミニアムの需要が高まります。特に、ホーチミンの1区やビンタン区などは物件価格も上昇している傾向にあります。


日系企業進出の他にも、投資環境の整備が整ってきていることで他国からのFDI数が増えています。ベトナム不動産は、現状では供給率が高い状況ですが今後は需要が増えていく見込みです。

ベトナム不動産投資のメリット&デメリット

ベトナム不動産投資のメリット

①物件価格が比較的安価

先述したようにベトナムは安定した成長率の高さで成長していますが、成長率の高さと比較して相対的に物価が低く不動産も他国と比較すると低価格物件が多い状況です。将来性が高い不動産を購入することでキャピタルゲインを期待できると言えます。


②クオリティの高い物件が少なく内装で差をつけられる

現在、ベトナム不動産の供給数は多くなっていますが、借り手にとってクオリティの高い物件は相対的に少なく内装などで差をつけることで安定的なインカムゲインを期待できます。明確なターゲットを持って物件購入することが重要と言えます。


③家賃保証をしている物件もある

大手デベロッパーのプロジェクトの中には購入後、一定期間の家賃保証をしているプロジェクトがあります。ご自身で借り手を見つける必要がなく安定的な収入が入ってくるため安心です。


ベトナム不動産投資のデメリット


①基本的に物件はスケルトン渡しのため、内装を行う必要がある
ベトナムでは一般的に部屋に内装がない状態での引渡しとなっています。したがって、物件購入と同時に内装業者に委託するのが一般的です。またデベロッパーによっては、オプションで内装や家具を揃えてくれるところもあります。日本人の経営している内装業者もありますが、ローカルの業者と比較すると割高になってしまいます。


②外国人規制により外国人の購入できるプロジェクトには範囲がある

外国人が購入できる不動産物件は、開発ライセンスを取得した物件でコンドミニアムと戸建て住宅のみです。また、外国人が購入できる戸数はコンドミニアム1棟につき最大30%、戸建て住宅は1街区につき最大250戸です。


③プレビルト制のため、プロジェクトの頓挫可能性がある

ベトナム不動産はプレビルドのため、物件の建築の進捗度によって分割払いをしてリスクを避けるのが一般的です。建物が完成する前に支払いを進めるので、建物が完成しないで中止されるリスクがありますが、基本的にプロジェクト頓挫の場合、支払った金額は戻ってくることがほとんどです。




ベトナム不動産の税金


ベトナム不動産購入時の税金


ベトナム不動産購入時の税金を一覧

ベトナム不動産を購入する際には「不動産登記税」、「不動産購入税」、「修繕積立金」の3つの税金が掛かります。


①「不動産登記税」

物件価格の0.5%で、ピンクブック(権利書)と呼ばれる、政府発行の物件所有権利書を取得する際に必要な税金です。


②「不動産購入税」

不動産購入時に物件価格の10%にかかる税です。いわゆるVAT(付加価値税)と呼ばれ、日本における消費税と類似した税になります。1000万円の物件を購入するとき100万円のVATがかかります。


③「修繕積立金」

物件価格の2%で、物件を維持するための税金です。


これらの税金は、物件購入の時の金額に含まれていることがほとんどですのです。
知識として押さえておく程度でよいでしょう。

ベトナム不動産購入後の税金

ベトナム不動産購入後の税金を一覧

①インカムゲインの場合

ベトナム不動産を賃貸として貸し出す場合、年間の家賃収入が5,000USD以内の場合は0%、5,000USDを超える場合は一律で10%(個人所得税5%、VAT5%)の税金がかかります。


②キャピタルゲインの場合

購入した不動産を譲渡する際にはベトナムではキャピタルゲイン税は発生しませんが、譲渡税が2%発生します。また、ベトナムにおける固定資産税は明記されておらず、年間数千円程度と言われています。

ベトナム不動産の外国人規制

外国人の不動産購入制限

ベトナム不動産の外国人規制

①購入戸数制限

外国人が購入できる不動産物件は、開発ライセンスを取得した物件で、コンドミニアムと戸建て住宅のみです。外国人が購入できる戸数はコンドミニアム1棟につき最大30%、戸建て住宅は1街区につき最大250戸です。


②中古物件の購入は基本的に不可

中古物件の売買に関してはしっかりと法整備が整っていませんが、基本的に外国人は中古物件の購入は出来ません。ただし、外国人(名義)が購入した物件は、所有権期間を引き継いでの売買できます。この場合政府に申請して許可を得た物件に限ります。


③外国人に投資開放していない地域

住宅法改正によると外国人は国防や安全保障に関わる地域に位置する物件に投資できません。投資する物件が外国人の投資向けに開放されている建設プロジェクトであるかを確認する必要があります。まだベトナム不動産市場は経済の視点でも法の視点でもまだまだ未熟です。


不動産物件の使用権(ピンクブック)

ベトナムでは土地の所有権については全人民の所有という名目の国有になっています。
ただ実際には、ベトナムで不動産の使用権の売買が可能です。


土地のみの使用権証書のことを通称「レッドブック」と言います。通称名の通りその証書は、赤色の表紙になっています。コンドミニアムやアパートメントなどの場合はレッドブックは土地開発者であるディベロッパーが保持していることがほとんどです。


しかし、ベトナムでは建物については所有権が認められています。所有権の権利書については、通称ピンクブックと言われます。これも同様にピンクの表紙になっているのが特徴です。ピンクブックは物件が完成した後に受け取ることができます。

ベトナム不動産の価格推移


ベトナム不動産全体の価格推移


ベトナム不動産全体の価格推移

上図は、2005年から2017年までのベトナム不動産の地域別の価格推移です。(出典:Savills Vietnam


ホーチミンの物件価格の相場は2008年のバブル期に最高価格となり2009年から2014年まで低迷が続いていましたが、2015年の住宅法改正によって外国人への不動産投資が解禁されたことで再び注目を集めています。


一方、ハノイの物件価格の相場はホーチミン同様、2008年にバブルを迎え2009年に若干の下落を見せますが2010年から2011年にかけては再び価格が上昇を示し、2012年に下落した後は横ばいといったところです。


外国人への不動産解禁の影響により2016年に価格上昇を見せた不動産価格は、過剰供給により2017年にはホーチミンでは下落、ハノイでは横ばいとなり現在は落ち着きを見せています。前回のベトナム不動産バブルの崩壊を経験しているベトナムでは、政府による規制や大手デベロッパーの知見が蓄積されることで大きなバブル崩壊は起こらないと予想している専門家が多い状況です。

「The Sun Avenue」の売り出し価格と現在の取引価格、家賃価格

The Sun Avenue
(この価格は2018年6月時点でのおおよその目安価格です)


「The Sun Avenue」はホーチミン大手のデベロッパーNovalandによって開発され、2区のThu Thiem(トゥティエム)という経済特区に建設されおり将来ホーチミン市地下鉄が開通することもあり多くの投資家が注目していた物件です。


2015年1月に売り出された「The Sun Avenue」の販売価格は下記です。


「The Sun Avenue(2015.1)」の売り出し価格

1ベッドルーム(55㎡)約820万円(16.7億vdn)
2ベッドルーム(72.5~75.8㎡)約957万〜1000万円(19.5~20.5億vdn)


現在、不動産取引サイトNhà đấtで販売されている価格は、、、


「The Sun Avenue(2018.6)」の販売価格

1ベッドルーム(53㎡)約1230万円(25億vdn)
2ベッドルーム(72.5~75.8㎡)約1350万〜1400万円(27.5~28.5億vdn)
となっています。


1ベッドルームでは約1.5倍の上昇(約+410万円)
2ベッドルームでは約1.4倍の上昇(約+400万円)が確認できました。

2019年のベトナム不動産の見通し


住宅法改正から現在まで時系列でベトナム不動産を振り返る


ベトナム不動産を時系列でまとめる

ベトナム不動産に関する出来事を時系列でまとめた図が上図です。


2015年の住宅法改正によって外国人が不動産を購入できるようになる前に一度、2007年から2013年にかけてベトナム不動産はバブル崩壊を経験しています。加熱した投機家が大きな要因と言われています。大手不動産会社CBREの調査によると2007年の不動産取引の50%が短期投機家による投資だったと発表しています。


2018年5月には「ビンホームズ・セントラルパーク(Vinhomes Central Park)」などビンホームズブランドのプロジェクトを展開するビンホームズ(Vinhomes)がホーチミン証券取引所(HSX)に上場して不動産市場を賑わせるなど、ベトナムの不動産業界の成長を象徴する出来事が起こっています。


あわせて読みたい
【必読】2019年のベトナム不動産のバブル崩壊の危機

2018年のベトナム不動産の状況と2019年の見通し

2015年の住宅改正法以来、GDPの成長による国内需要の高まりと外国からの投資が加熱してベトナム不動産市場はデベロッパーは作れば売れると言う状況が続いていました。しかし、建設ラッシュによって供給が需要を追い抜いてしまいました。そのためデベロッパーの在庫が余るという状況が発生しています。


また、ホーチミンの8区にある高層マンション「カリナ・プラザ(Carina Plaza)」で火事が発生し41人の方が亡くなりました。火災発生時にサイレンが鳴らず、自動消火装置と避難誘導システムなども機能しなかったため逃げ遅れてしまった人が大勢いました。この事件を受けベトナム人の住宅と消防設備に対する考え方が変わったと言われています。2018年Q2の低所得者向けマンションにおける需要が大きく減少しました。


2019年のベトナム不動産のマーケット状況は勢いが減速したり価格が低下する物件が出てくる可能性はあります。一時的に不動産価格が落ち込んでも必ずしも悪いことではありません。現在、新規で不動産購入した場合、物件が完成するのは2020年以降です。2020年に以降には新しく地下鉄や空港が完成したり、物件価格を上昇させる可能性があり、価格が下がってい今物件を購入することで、将来的に多くのキャピタルゲインを得ることも可能です。


また、2015, 16年とハイエンドのプロジェクトを手がけてきた大手デベロッパーが2017年は中心部の開発から外縁部の開発を増やし、ミッドエンド以下のプロジェクトを増やすことでマーケットの健全性が保たれるようになってきました。


そのため短期的な落ち込みは予想されるものの2019年以降のベトナム不動産マーケットは安定的に成長していくことが予想されます。

ベトナム不動産購入の6ステップ


ベトナム不動産購入の6ステップ

STEP1 ベトナム不動産の知識を蓄積する

まずはベトナム不動産についてしっかりとした知識を持ちましょう。ベトナム不動産に関する法律・税制・仕組みについてわからずに投資・購入してしまっては大変危険です。当サイトや書籍、不動産代理店などから適切な知識を得ましょう。


STEP2 自己資本を設定して物件を探す

投資用の自己資本を設定して物件を探しましょう。予算5,000万円で3物件を購入しよう、といった投資ポートフォリオを組めるとリスク分散ができるでしょう。余裕を持って見積もりしておくことで、思わぬトラブルに見舞われた際に対応することができたり、内装にもう少し予算をかけてみようといったことができます。


STEP3 現地に物件を視察しに行く

はじめてベトナム不動産に投資をされる方には現地で視察ツアーに参加されることを強くお薦めいたします。ベトナムを肌で感じると共に、既存プロジェクトを見て投資物件の完成後イメージをしたり、賃貸の借り手をイメージする際に現地で得た情報はとても役立ちます。


STEP4 購入を申し込み、デポジットを支払う

現地に行って候補の中から、良い物件を見つけることができたら、購入の申し込みをします。ベトナムの新築優良物件の多くは人気で抽選会が行われます。買いたいから買えるというわけではないのです。まずは購入の申し込みをして、デポジットを払い、実際に購入できるまで待たなければいけない物件もあります。デポジットは20万円から〜50万円ほどで購入しない場合は返却されます。


その場で支払いができなかったり、まだ販売されていない場合などはベトナムの銀行口座を通して日本から送金して払うことができる場合もあります。代理店やデベロッパーに確認して見ましょう。


STEP5 頭金の支払いと本契約

物件を購入することが決定すると、分割払いの場合はデポジットを支払ってから約7日以内に頭金を支払う必要性があります。頭金は物件の10%〜20%です。ベトナム現地で支払いができない場合は、日本から送金するために事前にベトナムの口座を作っておくことをお勧めします。


あわせて読みたい
ベトナムで銀行口座を開設する方法


この後、2週間以内に本契約書へのサインが求められます。ベトナム語と英語の各40ページほどの契約書に全てサインをしなくてはなりません。サインは代筆不可で、パスポートと同じ筆記が求められます。分割払い回数はディベロッパーや物件によって異なります。この支払いは銀行間を通して行うことができるので、日本にいても支払いすることが可能です。


STEP6 物件完成後の内覧とチェック

物件の完成が近づき、支払いも順調に終わってきたところでベトナムの現地に行って、部屋の確認をします。徹底的にチェックを行わなければいけません。日本と違って、仕上がりがしっかりとしていない場合があります。特に水回りはしっかりとチェックして、何か漏れやミスがあればデベロッパーに言いましょう。


物件のチェックも終わり完成すると、鍵の引渡しと部屋の引渡しがあります。この時に修繕費の積立や不動産の登記があります。現在はピンクブック(権利書)の配布が遅れており、引き渡しの段階ではもらえないかもしれません。物件完成から数ヶ月待たなければならないことがほとんどです。




ベトナム不動産の視察ツアー&セミナー


【2019年3月開催】ベトナム不動産ツアー in ホーチミン


ベトナム不動産ツアー in ホーチミン

Leaper Property 第三弾不動産ツアー in ホーチミンを開催いたします。


マレーシア、タイ、フィリピンの不動産投資の盛り上がりも冷めつつある中、今熱いのがベトナム不動産投資です。
ベトナムの経済都市ホーチミンには2020年に1本目の地下鉄が完成予定であり、大きなキャピタルゲインを狙うなら今が絶好のチャンスです!


2019年3月の土日の1泊4日(機内泊2日)でホーチミンで注目を集めている不動産物件を周ります。物件の視察に加えて「ホーチミン講座」や「税制面の講座」など実践的なナレッジをご紹介いたします。お気に入りの物件があれば、日本からの送金用にベトナムでの銀行口座開設までお手伝いたします。ぜひご期待ください。


お申し込みフォーム

ベトナム不動産ツアー in ホーチミン 参加申し込みフォーム